第25回日本音楽療法学会学術大会

ご挨拶

第25回日本音楽療法学会学術大会

大会長 吉村 奈保子

(国際音楽療法専門学院)

第25回日本音楽療法学会学術大会を2025年9月5日(金)〜7日(日)の3日間、つくば国際会議場にて開催いたします。25回目のシルバーアニバーサリーに際し、音楽療法をとりまく様々なものに耳を傾け、想像し、考える機会にしたいという思いから、本大会のテーマを「LISTEN」といたしました。一方、日本語の「聴く」は、耳と手と目、心から成り立っており、身体全体で他者のことばを聴き、心の中に一度取り込んで反応するという意味があります。私たちは、他者のことばの意味を解釈するだけでなく、ただ他者を受けとめ聴くだけにとめる在り様も含め、本大会が気づきの場となることを願っています。

〔大会企画プログラムの聴きどころ、見どころ、学びどころ〕

基調講演の講師は、音楽社会学者のティア・デノーラ氏(Prof. Tia DeNora:エクスター大学教授)です。タイトルは「音楽社会学の視点から見た音楽療法~音楽に心を寄せるということ~」。人をケアするための音楽“Music for Care”から、音楽は人にとってどのような意味をもつのか“Care for Music”について、お話しいただきます。9月1日からオンデマンド配信となります。また、より深く、より面白く学べる工夫として事前「文献輪読会」を呼びかけておりますので、アクセスをお待ちしています。

特別講演は、本田秀夫氏(信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授)をお招きしております。自閉スペクトラム症の子どもから大人まで幅広く関わられているご経験から、「ASD(自閉スペクトラム症)のこころを聴く~障害をどのように捉えるのか~」のタイトルでお話しいただきます。

市民講座は、一般の方々にもっと音楽療法に関心をもって頂けるよう企画された講座です。講師の脳科学者恩蔵絢子氏から「脳科学から見た認知症~ご本人の気持ちを聴くためにできることはなにか~」のタイトルでお話し頂きます。認知症を機能や症状で捉えるのではなく、心で見る、聴く、そして感じる扉を開くきっかけになればと思います。

大会企画シンポジウムとして、「レジェンドたちの声を聴く」を企画しています。レジェンドの定義はありませんが、私たちにとってのレジェンドとは、音楽療法の発展への寄与だけでなく、私たち音楽療法士に多大な学びの機会と影響力をもたらした方々です。シンポジストは、現在調整中のため、詳細は追ってホームページおよびSNS等でお知らせ致します。

演題発表は、参加者同士の知見の交流です。公募ワークショップも含め皆様のご応募をお待ちしています。演題募集期間は4月1日(火)9時~5月16日(金)15時までとなっております。

〔こんな工夫も〕

実行委員会の広報が作成した大会ポスターの背景に注目してください。支部のメルマガで募集した 「あなたのLISTENは?」に寄せられた言葉たちが背景となっています。是非、一人一人の思いに気持ちを寄せて頂ければ幸いです。
 広くて開放的な「つくば国際会議場」には、一人になれる空間があり、沢山の小部屋もあります。全国から音楽療法という共通のテーマをもった方々が出会い、発信し、情報を交換できる居場所づくりも企画中です。

つくばの地で、共に集い語らう時を実行委員一同心待ちにしております。

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